【2020.12.5更新】
はいさい!
石垣島クライマーのKUNIです。
「どのエリアに行ってみたいか」
というやり取りをスムーズに進めるために
石垣島のボルダ―エリア各所の特色をまとめたいと思います。
エリアの場所は大まかに、
島の北東部、北部中央、北西部に分かれております。
ひとつのエリアごとの課題数は多くはないため
近くのエリアどうしをハシゴすると充実した登りができると思います。
赤字はおすすめのエリア
~石垣島 北東部エリア~
【久宇良(くうら)】
もっとも課題数が多い、石垣島ボルダ―で一番メジャーなエリア。
2級以下の課題はとても充実しています。
高グレードは1級が3~4本と初段が1本。
海辺で日陰が多く、夏でも気持ちよく登れます。
岩質はガビガビの「琉球石灰岩」がメインなので、
初めて触る方は痛さに驚くかも…。
それも石垣島の岩ならではの楽しみと捉える事もできます。
看板課題の初段「アカショウビン」は琉球石灰岩のルーフを登る、
平山ユージ氏初登のラインです。
ガビガビではない普通の岩もいくつかあるので
琉球石灰岩が苦手な方も楽しむ事はできます。
海はちょっと濁っていて海水浴にはあまり適していません。
アプローチが少々難点で、入り口が分かりにくい上
潮が大きく引いていないと到達が難しいです。
引いていても、膝下程度までは海水に浸かりながら向かう形になることがほとんど。
クラゲ対策に濡れても大丈夫なズボンがあったほうがいいです。
久宇良エリア アカショウビン 初段
【明石】
久宇良から見て半島の反対側。
石垣島最大のロングビーチにある、非常に景色の綺麗なエリアです。
向かうにはビーチを10分ほど歩く必要があります。
岩質はガビガビではなく、伊豆の城ヶ崎のような質感の岩。
僕的にはもっとも居心地の良いエリアですが、
日陰が少なくて夏は暑いかも…。
暑くなったら海に軽く浸かって休憩しましょう~。
課題数はそこまで多くないですが、質が高い3級程度の課題は充実しています。
しかし高グレードの課題は初段が1本だけ。
詳しくはこのブログのトポをご参照ください。
居心地も下地もよく、岩から少々離れていますがトイレもや商店もあって
初級者にはもっともオススメのエリア。
最高のロケーションでファンクライミング…といった楽しみ方にもうってつけです。
ラッシュガード等でクラゲ対策をしておけば、軽い海水浴もできちゃいます。
アプローチはしっかり潮が引いていないと、
海水に浸かる形になってしまいます。
クラゲ対策に濡れても大丈夫なズボンがあったほうがいいです。
明石エリア シャコガイ 3級
【野底(ノソコ)】
山の中腹部の、比較的新しいエリア。
巨大な岩が1つだけあり、
6級から三段まで設定されています。
岩質は堅めの砂岩と思われる質感です。ガビガビしていません。
初級者から上級者まで楽しめます。
正面ど真ん中の【アルタイル】初段は三ツ星。石垣島を代表する課題です。
なお、下地が悪めで高さもあるため、
充分な注意が必要です。
夏は暑いので気合いが要ります。高難度をトライするなら夕方以降がおすすめ。
登り切った後の岩の上からの眺めは最高です。
野底エリア ティンガーラ 三段
【玉取】
10級から4級程度の課題を有する大きめのボルダーと、
小ぶりながら2~3級前後の課題が3~4本ほど揃ったボルダーの
2つの岩のみのエリア。
下地が非常に良いため、初心者やキッズの外岩デビューには適しています。
綺麗なビーチにあり、景色や居心地は最高です。
野底エリアや久宇良エリアと近く、アプローチも良いため
アップがてら立ち寄ってもいいかもしれません。
玉取エリア 易しい大岩の7級
~石垣島 北部中央~
【米原】
美しいビーチの中にあるエリア。
海水浴客もたくさんいます。
岩質は花崗岩が波で丸くなったもの。
アプローチも楽で
低グレードから二段まで、たくさんの課題が揃っていますが
いずれも岩は大きくなく、
甘いカチやスローパーを抑え込んでのマントル課題がメインになります。
正直、暑いシーズンは岩も熱を帯びるので
登るにはかなり厳しいかもしれません。
マントルマニアにはよだれもののエリア。
初段以上の課題もそこそこそろっています。
2020年11月野村真一郎氏により新たな二段の課題が設定されました。
円相(エンソウ)二段
【おもと】
沖縄最高峰於茂登岳(おもとだけ)のふもとにある、
サトウキビ畑に囲まれたエリア。
岩は2つだけですが
沖縄県では珍しい花崗岩です。
垂壁の好課題や
三段のマントル課題があり、
じゅうぶん遊べます。
街から一番近く、また
他の各エリアへも近いため
ハシゴするのにうってつけです。
~石垣島 北西部~
【底地(スクジ)】
美しいビーチの外れにあるエリア。
海水浴客もたくさんいますが、岩のまわりは無人です。
岩質はガビガビの琉球石灰岩と、カチカチの花崗岩。
他に低めの砂岩っぽい岩がいくつか。
課題数は多くはないですが、
岩と岩にはさまって宙ぶらりん状態のルーフボルダ―を登る
看板課題の1級「スクジチョック」や
すっきりした花崗岩の垂壁を登る2級の「綾羽」など好課題があります。
海は穏やかでヤドカリなんかもたくさんいて、
居るだけで癒されるスポット。
(他のエリアも大体そうですけどw)
ビーチはトイレあり、自動販売機あり、遊泳場ありと整備が行き届いているので
クライミングをしないご家族や小さなお子様を連れていっても問題なく楽しんで頂けると思います。
花崗岩のフェイスにはランジ課題のプロジェクトも設定されていて、
僕も挑戦中です。
アプロ―チが難点で、潮がしっかり引いていないと海に浸りながら向かう形になります。
クラゲ対策に濡れても大丈夫なズボンがあったほうがいいです。
底地エリア 綾羽 2級
【クジラ岩】
浜辺に一つだけある大きな岩。
160度くらいの傾斜で、
初段と三段と四段が1本ずつのみ設定されている
まさに上級者向けのエリア。
ロック&スノーにも掲載されたことがあるので、
久宇良と並んで石垣島では著名なエリアです。
特に最近登られた四段のラインは
石垣島最難課題として今後も注目を集めそうです。
海は非常に綺麗でサンゴ礁も多く、
シュノーケリングの穴場スポットです。
岩は日陰になっているし
ちょっとガビっていて痛めですが、暑くても保持できます。
クジラ岩
【崎枝】
海辺のそばの、ちょっとした洞窟の中で鍾乳状の石灰岩を登ります。
岩から垂れ下がったカーテンのような形状の
珍しいルーフ課題「ハマサンゴ」2級をはじめ
質の高い2級が3本設定されています。
洞窟の中なので夏でもそこそこ涼しく快適に遊べます。
アプローチの入り口が非常に分かりにくく、
ガイドなしでの到達は難しいです。
崎枝エリア ハマサンゴ左 2級
【ナブレの浜】
歩きにくい海岸を30分ほど歩いた先にある
開拓中のエリアです。
まだ1級と初段が一本ずつしかありません。
痛すぎない程度の琉球石灰岩に3~4級ぐらいの課題は
たくさんラインを引けそうです。
琉球石灰岩の大ルーフ(未登)もあります。
白いサンゴのかけらが下地に敷き詰められている美しいエリアですが
何しろ遠いので、あまりオススメはできません。
ナブレの浜 風の回廊 初段
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ざっくりと石垣島の各エリアの特色を書き出してみました。
中・上級者の方がガイドをご依頼いただく際、
ご参考にして頂ければと思います。
基本的にエリアごとの岩数は多くはなく、代わりにエリア間の移動はすぐにできるため、
一度に2~3エリアを周ると充実した登りができるはずです。
KUNI